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東京おのぼりさん日記 六本木アート・トライアングル 国立新美術館

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六本木ヒルズ森タワー53 階にある森美術館に2007年にオープンした国立新美術館とサントリー美術館を加えた3つの美術館は、地図上で三角形を描く「六本木アート・トライアングル」として新しいアートの拠点をめざし、展覧会チケットの半券で、他の2館の観覧料が割引になる「あとろ割」を実施するなど様々な連携がなされています。


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これはArt好きにはいい企画ですね。(^^)




さて、Tokyo Midtownを離れて私が目指したのは国立新美術館。ここの建物は曲線美が美しいとの情報があって、撮りに寄ってみました。入り口の看板には「オルセー美術館展 印象派の誕生 ―描くことの自由―」とありました。どうやら今回の企画展は、パリのオルセー美術館から、印象派のモネやドガ、後期印象派のゴッホ、ゴーギャンなどの絵が115点も来ている大規模な展覧会のようです。
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ところで、印象派の絵画は光や自然がいっぱいで明るくきれいな絵が多く、画題も風景画や静物画、人物画などが中心で、観るのにあまり難しい知識や勉強を必要としません。宗教画はキリスト教徒ではない人にとってはまるで異世界ですし、抽象的な現代アートは難解すぎますもん。印象派の絵画は日本人に限らず世界中のアートのことをよく知らないごく一般的な人々にとってもわかりやすいのでしょうね。
というわけで、印象派の絵画展は世界中で支持されていて入館者も他の絵画展に比べると多いのですが、日本人が特に印象派ばかりを好むのは海外では有名な話です。(^^;)
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では、なぜこれほどまでに我々日本人は印象派が好きなのでしょうか?コントラストよりもハーフトーンを好む日本人は、筆跡を主体に絵をみる傾向がありますので、筆のタッチが残っているほうが安心できるからとも、平面的で奥行き表現が希薄なところが日本人好みなのだとも考えられます。
また、浮世絵の要素を取り入れた作品が多いので、特に勉強していなくても北斎や広重との関係がよくわかりますし、作家達のエピソードもいろいろあって、様々なウンチクを交えながら楽しめるところがいいのかも知れません。
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でも、もっと穿った見方をするなら、あの有名な印象派の画家達に日本の浮世絵が大きな影響を与え、西洋美術の一大転換に一役買っていたという事実が、我々日本人の持つヨーロッパへの劣等感やその裏返しとしてのあこがれを解消させ、大いに溜飲を下げることができるからだと言う人もいます。(^^;)
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一方、開催する美術館サイドから言うなら、企画展の場合、マイナーな絵ばかりで、あまりにも専門的すぎるテーマだとどうしても集客率が落ちます。反対に誰もが知っている有名な絵画を目玉にして、今までになかった解釈やちょっと斬新な切り口で魅力的なテーマを付けることができれば集客率は上がります。印象派の時代は古典的な美術価値観からの解放の時期にも当たり、近代西洋美術史の入門的な要素も多分にありますから、テーマとしてとてもとり上げやすいのです。
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というわけで、一般にも知名度の高い絵が多く、テーマが付けやすい印象派の絵画展は商業ベースから見ても成り立ちやすい側面があります。ちなみに、たいていの大きな印象派展は世界を巡回していますが、世界中のどこより日本で開催するのが最もお金を稼げるんだそうです。
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こんなことをあれこれ考えながら外をウロウロしているうちに入館するのが嫌になって、結局建物内部は撮らずじまい。入ってすぐのエントランスとカフェが撮りたかったのに。(笑)


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ああ、こんな身もふたもないこと書くと印象派好きの人たちからしかられそう。(^^;)

by borderlines | 2014-08-12 06:27 | 東京

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